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エリア情報

宮田村

村長  小田切康彦 氏

■宮田村概要

中央アルプスの麓に位置する、非常に小さい宮田(みやだ)村。上伊那地域の企業への通勤に便利な上、生活圏が半径2キロというコンパクトさもあり、全国の地方の市町村が人口減少に悩むこの時代に、1970年以降、微増ではあるが年々人口が増え続けている。

「小さいからこその住みよさ」を売りに、移住による社会増加だけでなく、人口の自然増加を支援する取り組みにも力を入れている。

■宮田村の特徴

豊かな自然に生かされながら

「山と語り流れに思ひ
 風に聞き雲と遊ぶ
 うるはしき心のしらべ
 あめつちとともに」

これは宮田村出身の文芸評論家の唐木順三先生(1904-1980)が、故郷の伊那谷の自然の豊かさと、人間が自然に生かされている情景を謳ってくれたものです。

宮田村ではこの唐木順三先生が故郷の中学校に贈ってくれた歌を、故郷への思いを深め、宮田村を伝える歌として30年以上歌い継いできています。

この歌に歌われているように豊かな自然と共に暮らす村ですが、勤め先は村内の企業に限りません。通勤圏内の上伊那地域には、自動車関連部品産業を始め、独自の技術を持つ優良な企業がたくさんあります。

企業に勤めながら、自然と共に暮らしていく。そんなライフスタイルが実現できるのが、宮田村の特徴だと思います。

■雇用促進・定住促進に向けた取り組み

UIターン者を採用した企業を奨励・個人の住宅支援も

宮田村ではUIターンをした人材を採用した企業に奨励金を用意し、UIターン者が仕事に就くことを行政面から支援しています。

また、空き家バンクを積極的に情報公開している他、村内の空き地を宅地造成して売り出しています。移住者だけでなく村内の賃貸アパートに住んでいる方でも、村内に住宅を建設した場合には固定資産税が5年間免税になる制度もあり、若い世代が住宅を構えて定住しやすいような、環境・制度を整えています。

Uターンで宮田村に帰ってきてもらえるように

移住者促進にも力をいれていますが、小さな村ですからまずは進学で県外に出た学生たちに宮田村へ戻ってきてほしいと考えています。

そのため、村で毎年行う成人式では村内を始め、上伊那地域の企業案内を配り、宮田村に住んでいる社会人の先輩に仕事内容や仕事のやりがい、地元で働くことの良さなどを語ってもらっています。また、慣れ親しんだ学校給食も振る舞い、故郷の味を思い出してもらう機会にもしています。

宮田村から県外に進学し、就職で戻ってくる人の割合は45%です。これをできるだけ高めていくような教育や環境づくりが大切だと考えています。

■移住者が宮田村を選ぶ理由

徒歩でも用事を済ませられるコンパクトヴィレッジ

宮田村は生活に必要なスーパー、病院、学校、子育て支援施設、役場などが半径2キロ以内、徒歩30分の範囲内に集中しています。長野に住んでいながら徒歩30分で用事を済ますことができる、コンパクトな便利さが宮田村にはあります。

また小学校も中学校も「1村1校」のため、子どもたちは村の同じ学年の子どもたち皆と友達になれますし、親も同じ年の子どもを持つ村内の親と知り合いになることができます。

Iターンをした方の中には、「市ではなく、小さな村に住みたかった。」という方もいます。このように小さい村ならではの良さが、宮田村にはあると思います。

母親が一人にならない子育て環境と美味しい給食

宮田村には様々な子育て支援制度があります。「輝く子育て応援事業」として誕生祝金や保育料が2人目は半額、3人目は無料などの補助がある他、0歳から18歳までの子どもと保護者が誰でも利用できる「うめっこらんど」があります。

平日の昼間、この「うめっこらんど」には、赤ちゃんを連れたお母さんがたくさん集まっています。育児相談などもできるし、同じ世代の子どもを持つお母さん同士が交流でき、お母さん同士の育児グループも多くあります。お母さんが子育て中に孤立しない環境に、「子育てしやすい。」「住みやすい。」という声もいただいています。

また、保育園や小学校、中学校の給食も美味しいと評判です。宮田村には「学校給食を育てる会」があり、農業に携わる村民が学校給食を支援しています。

そのため給食では、地元宮田村の食材の使用量が6割以上、さらに2015年10月からはお米も減農薬米である宮田村産になりました。

そして年に1回は給食の食材を作る生産者と子ども達が交流し、生産者がその食材を作る思いや苦労を語ってもらう機会があります。生産者の顏が見える給食を食べることは、食育になるとともに、故郷の温かさを感じる機会にもなるのではないでしょうか。

■担当者が感じる「宮田村に住む・働く」の魅力とは?

神秘の蝶・アサギマダラを通じた交流

2000キロ以上の旅をし、海を渡るアサギマダラという神秘的な蝶がいます。この蝶は全国に愛好家も多く、宮田村では標高1000mの宮田高原で見ることができます。そこで村内にこの蝶を呼ぼうと取り組みを始めました。

そこでアサギマダラが好むフジバカマという植物(環境省の準絶滅危惧種に指定)を大町市からもらってきて村内に植え、アサギマダラの「里親制度」として村民の希望者が草むしりなどの手入れをしています。

こうした取り組みで、今ではアサギマダラが年に1回、宮田村に飛来するようになりました。宮田村に飛来したアサギマダラが遠く鹿児島県や沖縄県で再発見されています。

アサギマダラが飛来するための環境づくりや、アサギマダラの観察には多くの人が関わり、多くの人の楽しみになりました。子どもたちも楽しみながらマーキングしていますし、評判を聞いて全国の愛好家の方がアサギマダラを見に宮田村までやってきます。

豊かな自然だけでなく、その環境を生かした交流や楽しみがあることが宮田村の魅力ではないかと思います。

人とのつながりを強める「みやだボンドプロジェクト」
(宮田村役場 みらい創造課 戦略推進担当係長 保科靖国さん)

また宮田村では、「みやだボンドプロジェクト」というグループが挨拶運動をしています。これは、挨拶の大切さについての講演をきっかけに、村の商工会の青年部や村役場の若手職員が、「地域の大人と子どもが繋がりを持ち、何か子どもたちと交流できるような、継続してできることがやりたい。」と始めたプロジェクトです。

「ボンド」とは、英語で「絆」や「縁」を意味する「bond」に由来し、活動のロゴマークとして「木工ボンド」(コニシ株式会社・大阪本社)のロゴを使用させていただいています。

毎週月曜日の朝に小・中学校の門に立って、子ども達とハイタッチで挨拶をするもので、今では小学校のPTAの方にも参加いただき、最初は数名で活動を始めましたが、現在では約80名が参加する大きな活動になっています。

このプロジェクトをきっかけに、木工ボンドを製造するコニシ株式会社の方に接着剤の授業をしていただいたり、木工ボンドを使った工作を募る「夏休み工作コンテスト」で村内の小学生が入賞したりと、思いもよらぬ縁も生まれています。また、村内の企業と連携し職業体験事業等も実施しています。

こうした活動を通じて、子ども達が「宮田村は温かいな」「大人になってからも宮田村に住みたいな」と感じてもらえればと思っています。

※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2015年11月)

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