公益・特殊・独立行政法人
長野県中小企業団体中央会
参事 西村昌二 氏
■長野県中小企業団体中央会 概要
長野県の中小企業が構成する約800組合(約8万社)が加盟する、長野県中小企業団体中央会。主に中小企業組合の設立や運営、中小企業の経理・金融・事業運営・労務に関する研修会や講習会などを事業として行う。
その中小企業支援の一環として、中小企業の採用支援のための大規模な合同就職面接会や若年層の定着支援などを手掛ける。
■雇用促進に向けた取り組み
若年層の就職・転職支援に向け合同就職面接会を実施
平成24年度から中小企業が人材確保するための支援事業を行ってきましたが、平成27年度からは、「地域中小企業・小規模事業者UIJターン人材確保等支援事業」として、(一財)浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)と共同で、若年層(学生・40歳未満の社会人)、女性、シニア層、UIJターン希望者の就職・転職支援を行っています。
当団体は、若年層(学生・40歳未満の社会人)への支援を中心とし、学生、卒業後概ね3年以内の既卒者及び、40歳未満の若年層を対象にした合同就職面接会を、9月16日に松本市で、17日に長野市で開催しました。
10月29日には4つのハローワーク(長野、篠ノ井、飯山、須坂)と共催で長野市において「北信地域合同就職面接会」も開催し、12月4日にはハローワーク(松本、大町)と共催で松本市で同様の就職面接会を開催する予定となっています。
このように、より多くの企業と若年層が出会うきっかけをつくっていきたいと考えています。
合同就職面接会を最大限活用するために
合同就職面接会を開催すると、「事務職希望」とする求人企業の前には多くの人が列を作ります。しかし、事務職の求人はそう多くはありません。事務職にこだわっていると、企業との出会いの機会が少なくなってしまいます。これは学生も、若年層(40歳未満)でも同じ傾向にあります。
新卒採用でなくても、未経験者でも応募できる企業もあります。合同就職面接会に行く前に、自分のやりたいことや特性をよく考えて、より多くの企業や職種にチャレンジする気持ちで参加すると、合同就職面接会を最大限活用できると思います。
「家から通えない」「条件もよい方がいい」等、いろいろなこだわりはあると思いますが、自分の希望通りの企業はそうありません。どんな企業で何をやりたいのか、事務職ではない仕事の可能性を探ってみてください。
入社したら簡単には辞めないように...定着促進支援も
また、就職・転職支援だけでなく、入社後の定着支援も行っています。せっかく入社しても、「何となく合わないから、辞める。」「違う会社のほうが、給与がいいから辞める。」と簡単な理由で辞めてしまう若者も多くいます。
こうした若者は職場の人間関係で孤独を感じ、同僚や上司に距離感を感じると簡単に辞めてしまう傾向があります。
入社した企業をすぐに辞めてしまうのは、個人のキャリアでも大きなマイナスです。企業にとっても、コストや労力をかけて採用・育成した人材にすぐに退職されては大きな損失となります。
そこで、入社後の定着のために、職場で先輩社員と新入社員のコミュニケーションを促進するような、企業向けの講演や研修も実施しています。
就職・転職支援と定着支援を通じて、より多くの人が県内の中小企業でイキイキと働ける環境を支援していきたいですね。
■西村参事が感じる「長野県に住む・働く」の魅力とは?
大企業にはない、中小企業ならではの「良さ」を感じて
長野県には多くの中小企業があります。世界に通用するような技術を持つ中小企業も少なくありません。
待遇面や知名度は大企業にはかないませんが、中小企業には中小企業ならではの「良さ」があります。家族的で、一緒に涙したり、笑ったりと厳しい中でも温情味のある中小企業が数多くあります。
長野県は空気も水もいいですし、北信・東信エリアは東京や金沢に近く、中信・南信エリアは名古屋に近いというメリットもあります。この抜群の環境で、自分に合う中小企業をぜひ見つけてみてください。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2015年11月)