長野市
商工観光部 産業政策課 雇用促進室長 前島睦美さん
■長野市概要
日本一の門前町として古くから賑わってきた長野市。宗派を問わず男女平等で救済を説く善光寺は古くから民衆の信仰の拠り所となり、江戸時代以降は「遠くとも一度は詣れ善光寺」といわれてきた。他にも戸隠、真田氏ゆかりの松代などの観光資源を持つ長野市には年間1000万人の観光客が訪れ、県内随一の観光地となっている。
大企業の支店や支社をはじめ優良中小企業も多く、小売業販売額は県内トップ。市内の有効求人倍率も、県内では最も高い水準にある。
そんな長野市の様々な魅力を市内外に住む人と共有するために、平成25年1月から「ながのシティプロモーション」がスタート。市民の皆さんに地元への愛着と自信をもってもらうとともに、UIターン促進にむけ、積極的な情報発信を行っている。
■長野市の産業の特徴
第三次産業を中心にバランス良く発展した産業
長野市は卸売小売業が全体の25%を占め、第三次産業を中心にバランスよく産業が発展しています。農業産出額においては果樹やきのこが中心となっています。また、IT関連企業などの情報通信業が多いのも特徴と言えるでしょう。
事業所の割合を見ても、単独の中小企業の割合が70%、本店が5%、大企業の支社・支店が25%と、県庁所在地でもあることから支社・支店の割合が多くなっています。
「地元にはいい企業がない」というイメージがある方も多いようですが、求人意欲のある優良中小企業も多く、長野市を中心とする北信エリアは県内でも求人倍率が高い状況にあります。
「地元に戻っても求人がない」というイメージを持つ方も多いのですが、そうではないことをぜひ多くの方に知っていただきたいと思っています。
■雇用促進・定住促進に向けた取り組み
長野市近辺の中小企業の求人情報がわかる「おしごとながの」
長野市には多くの優良中小企業があります。しかし、その企業の多くが大手就職・転職情報サイトを活用していないため、県外に進学した学生や就職した社会人が長野市へUターンする際に企業情報を入手しにくい状況でした。この問題を解消し、就職・転職活動を応援するために昨年12月にオープンしたのが、「おしごとながの」です。
「おしごとながの」は、長野市役所の新入職員の「就職活動の時に、こういう情報が欲しかった」という実体験を活かし、「長野市で働く」ことをより具体的にイメージできるようなサイト作りを意識しました。企業の写真や「先輩社員の1日」などの情報を盛り込み、その中小企業がどんな製品・サービスを展開し、そこで働く社員がどんな気持ちで働いているかがわかりやすくなっています。
現在約120社の求人情報が掲載されていますが、今後は求人情報をさらに充実させていくために、長野市内にとどまらないサイトの広域化を検討しています。
行ってみたい・住んでみたい街「信都・長野」の魅力をPR
(長野市企画政策部 企画課 企画調査担当 係長 轟 貴彦さん)
また、移住・定住促進のためには、長野市の良さをもっとよく知ってもらうことが必要です。そこで長野市の魅力を市内外に発信するために、「ながのシティプロモーション」がスタートしました。
このプロモーションは、「ながのご縁を~信都・長野市」をキャッチフレーズに、移住・観光・物産・企業誘致・文化やスポーツに関する情報をまとめてPRする取り組みで、昨年5月からこのキャッチフレーズを用いて様々なイベントや企画を通じて情報発信をしています。
「信都・長野市」という言葉には、「信州」の県庁所在地であること、善光寺や戸隠神社など「信仰」が根付いているまちであること、そして、お互いの「信頼」関係(ご縁)を大切にする街でありたいことの、3つの「信」への思いが込められています。
市外在住者だけでなく、市内に住む私たちも長野市のことを改めて良く知り、「この街いいよね」という思いを共有してUIターンも促進していきたいと考えています。
長野市の暮らしや仕事がわかる「ナガラボ」を発信
長野市ならではの移住の理由として、「善光寺の門前町の雰囲気が気に入った」という方も多いのが特徴です。門前町の物件をリノベーションして、自分の夢だったカフェやショップを開く方もいます。
このように若い世代の人たちにも関心を持ってもらえるよう、現在移住する人の体験レポート発信企画も考えています。1組の移住を希望する方に密着して、物件探し、仕事探し、近所の人とのコミュニケーションなど様々な課題をクリアしていく様子をリアルに伝える企画も計画しています。こうした情報を通じて、移住のイメージをより具体的に持ってもらえればと考えています。
■移住者が長野市を選ぶ理由
車で30分走れば高原、1時間で海...仕事に遊びに魅力的な立地
長野市の面積の約4分の3は中山間地域です。市街地から30分も走れば、飯綱・戸隠などの自然豊かな高原があります。海なし県ですが、長野市から日本海は非常に近く、車で1時間も走れば海水浴や釣りが楽しめます。さらに東京へは、新幹線で1時間半程度で2時間はかかりません。仕事にも遊びにも、自然にも都会にもアクセスがよい立地が長野市の大きな魅力です。
また、大雨や地震など災害も少ない場所です。夏でも朝晩は涼しく、大雪が降ることもめったにありません。市街地に行けば雰囲気を楽しめるカフェや飲食店、アートやショッピングなども楽しめます。
都市部から地方に移住すると、生活のギャップを大きく感じることもあります。しかし長野市なら、自然を満喫しながら都市的な生活の利便性もあり...と、田舎暮らしと都市生活の両方の良さを享受できる環境があるのです。
門前町の雰囲気が気に入って移住する人も
長野市の面積の約4分の3は中山間地域です。市街地から30分も走れば、飯綱・戸隠などの自然豊かな高原があります。海なし県ですが、長野市から日本海は非常に近く、車で1時間も走れば海水浴や釣りが楽しめます。さらに東京へは、新幹線で1時間半程度で2時間はかかりません。仕事にも遊びにも、自然にも都会にもアクセスがよい立地が長野市の大きな魅力です。
また、大雨や地震など災害も少ない場所です。夏でも朝晩は涼しく、大雪が降ることもめったにありません。市街地に行けば雰囲気を楽しめるカフェや飲食店、アートやショッピングなども楽しめます。
都市部から地方に移住すると、生活のギャップを大きく感じることもあります。しかし長野市なら、自然を満喫しながら都市的な生活の利便性もあり...と、田舎暮らしと都市生活の両方の良さを享受できる環境があるのです。
■担当者が感じる「長野市に住む・働く」の魅力とは?
ゆるやかに時間が流れる温かな生活
(長野市商工観光部 産業政策課 雇用促進室長 前島睦美さん)
長野市は県庁所在地ですが、あくせく働くという感じでなく、時間がゆるやかに流れていくように思います。それぞれの生活にあった働き方を選択できるからでしょうか。私自身も東京に進学しましたが、家族がいて、知人の多い地元で働きたいとUターンしました。都会は便利ですし、刺激もあって楽しい場所ですが、長く生活するならやはり地元がいいなと思います。
人も親切で温かく、良いおつきあいをさせていただいています。ご近所の方からは、畑で収穫したお野菜などをよくいただきます。私は畑を持っていないので、ちょっとしたものを選んでお返しするのですが、そんなやりとりも楽しい時間です。
また、四季折々、その地域ならではの伝統的な行事も残っています。こうした地域の伝統を受け継ぐ風土があることも魅力だと思います。
生活する利便性の高さと四季折々の自然を楽しめる街
(長野市企画政策部 企画課 企画調査担当 係長 轟 貴彦さん)
2年ほど東京で働きましたが、とにかく時間に追われて過ごした印象です。都心部に住んでいましたが、近所を気にして窓も開けられず、昼夜もわからないほど夜も明るく、緑の木々も街路樹や公園の木々など人工的に配置されたものばかりで、何とも味気なく感じました。
その点長野市は、山に囲まれている安心感があって、四季折々の自然を感じられます。都心のような息苦しさもありません。ご近所で挨拶し合い、ゆったり関わり合いながら生活する楽しさがあります。自然を身近に感じ、人との関わりを楽しみながら過ごせるのが、この街の魅力だと思います。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2015年10月)