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エリア情報

岡谷市

副市長(産業振興担当)  宮澤 昇 氏

■岡谷市概要

明治時代以降に製糸業で栄え、全国一の「シルクのまち」として発展。世界遺産となった「富岡製糸場」のある群馬県富岡市とは姉妹都市でもあり、「シルク岡谷の絹遺産」は「近代化産業遺産群」として経済産業省から認定もされている。

戦後の主力産業は精密機械工業へと移り変わったが、ものづくりのDNAは脈々と受け継がれ、その技術力で「東洋のスイス」と称された。

現在も超精密加工技術の集積地として、多くの基盤技術が集積している。また、味噌蔵や酒蔵など食品加工業も多いのも特徴。

■岡谷市の産業の特徴

「世界一の生糸のまち」が原点のものづくりのDNA

岡谷市はかつて、「世界一の生糸のまち」として生糸の日本一の生産地として製糸業で栄えていました。また、それに合わせて、当時の岡谷市では味噌造りが盛んでありました。明治から昭和にかけ味噌は各家庭や親族が集まって作るものであり、1年分の味噌造りが女性の仕事でありました。岡谷市では多くの工女さんなど働く女性も多かったことから、働く女性に代わり各工場では味噌造りが行われ、働く女性を支えました。その名残で現在岡谷には12社の味噌蔵がありますが、1つの市としてはかなり多い方だと思います。

その後、製糸業の衰退と第二次世界大戦中の工場疎開をきっかけに、精密機械工業が産業の中心となりましたが、産業が変遷を経てものづくりのDNAは脈々と受け継がれてきました。

現在は、精密加工技術、光技術、超精密組み立て技術などの企業があり、特に切削加工、研鑽・研磨加工など金属加工においては高度な技術があります。「シルクのまち」だった岡谷市は、今や基盤技術を中心に30種以上の多様な業種・技術が集積する「ものづくりのまち」となっています。

旺盛な創業精神から独自の技術を持つ中小企業が集積

隆盛を誇った製糸業の衰退で産業の転換に迫られた結果、岡谷市は新たな産業の創業が必要となりました。そこに岡谷市のもう一つのDNAである、「創業精神」の原点があります。この創業のDNAは現在にも受け継がれ、大企業で技術や経験を積み重ねた人材が、新たに創業するケースも多くみられます。

そのため、従業員19人以下の事業所が8割弱と独自の技術を持つ中小企業が、岡谷の産業の中心となっています。大企業の城下町ではなく、独自技術を持つ中小企業の集積地として工業都市が成り立っていることが、岡谷市の特徴といえます。

■雇用促進・定住促進に向けた取り組み

雇用・定住促進のための「産業振興」に注力

働く場を確保することが、本来の定住促進です。そこで岡谷市では、「たくましい産業の創造」を目指し、産業振興に最も力を入れています。

助成金など企業や創業への各種支援制度もありますが、最も大切なのは、「困ったときに相談できる」という企業と行政の信頼関係です。そのために行政の担当者1人1人が、企業から電話1本あればすぐに対応するようなフットワークを心がけています。

企業誘致にも力を入れていますが、多種多様な技術の集積に加え、企業に対する行政サービスも工場移転・工場立地先として選ばれる理由の1つとなっています。

市が営業担当となって東京・名古屋で受注開拓

中小零細企業の産業支援の核の1つが、営業支援です。市では各企業の受注先を拡大するために、各企業の営業担当として、関東圏や中京圏で技術のPRと営業を行っています。

日本最大の機械要素や加工技術を集めた専門技術展の「機械要素技術展」では、岡谷市としてもブースを出展し、各企業をPR。また、岡谷出身の経営者や岡谷に工場や本社があった企業などを中心とした人脈を生かして、東京と名古屋では「産業情報交換会」も定期的に開催しています。

他にも大都市圏の製造業を訪問し、岡谷の企業の技術で提案できることがないか、ニーズを確認し顧客開拓しています。

中小企業が大都市圏で顧客開拓を行うのは容易ではありません。行政がパイプ役となることで各企業の信頼度を高め、顧客先との関係が築きやすくなるように支援しています。

「日本一創業しやすい環境づくり」を目指して

長野県は「日本一創業しやすい環境づくり」を目指していますが、岡谷市でも新規創業支援に力をいれています。

創業には、事業計画策定やマーケティングの知識だけでなく、各種手続きや行政や金融機関など支援機関とのネットワークも大切です。そこでこうした知識やネットワークを得る機会として、「"はじめの一歩"諏訪地域創業スクールinおかや」を8月29日より開催します(諏訪市、茅野市、下諏訪町と合同開催)。

これは経済産業省・総務省が認定する「地域創業促進支援事業」で、丸1日の講座が全8回と非常に濃い内容となっており、新たな事業を始めたい方への強力な創業の後押しができると考えています。

■移住者が岡谷市を選ぶ理由

自然豊かな環境でものづくりの技術を磨き、活かせるまちとして

山登りなど自然に魅力を感じて移住を考える方は多いですが、移住するには「仕事」と「住まい」、特に地方への移住では「働く場所があるか」が大きな問題となります。岡谷市にはその「仕事」があり、雇用窓口を広げている中小企業が多くあります。

自然豊かな環境でものづくりに取り組みたい若い世代だけでなく、大都市圏の製造業で技術を身につけたシニア世代が、岡谷でその技術とノウハウを活かして再就職していただくことで、さらに産業が活性していくようなまちでもありたいと思っています。

■副市長が感じる「岡谷市に住む・働く」の魅力とは?

八ヶ岳、富士山、諏訪湖...絶妙な景観と温泉に文化も楽しめる

塩嶺峠から八ヶ岳と富士山、諏訪湖を望むバランスは絶妙で、この眺めは他にはありません。市街地はコンパクトですが、2つの市営の体育館、スケート場、ヨーロッパのオペラハウスのようなカノラホール、温泉施設と文化施設も充実しています。

八ヶ岳や穂高岳を望む環境で仕事をしながら、山登りなどアウトドアだけでなく、文化もスポーツなども楽しめると、オンもオフも充実できる環境が岡谷市の魅力だと思います。

※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2015年8月)

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