半導体・電子・電気機器
株式会社イースタン
代表取締役社長 中桐則昭 氏
■業界の概要と企業の概要
1961年の設立以来、プリント配線板、電源装置などの電子機器や半導体のパッケージ基板の製造を手掛ける。イースタン社で作られる製品は、パソコンや携帯電話、デジタル家電や車載用機器など様々な分野で利用され、顧客は全世界の工場に広がっている。
1990年代と早くから海外進出を果たし、現在ではアジアを中心に世界に7つの拠点を持つ。
市場競争の激しい半導体関連業界で現在の事業の強化を図りつつ、新たな事業の着手にも意欲的な中桐社長に今後の展開を取材した。
■事業と強みと今後の展開
厳しい市場環境のなか、スピード対応と技術力強化をめざして
主力事業は、半導体のパッケージ基板製造になりますが、これは世界的に競争が非常に激しい分野になります。装置産業なので、生産力を上げるためには設備の先行投資が必要になりますが、リーマンショック以後は、中国や東南アジア諸国が国の政策として設備投資に力をいれ、競争力を上げています。
弊社は早い段階から海外に拠点を展開し、世界各国のお客様とのリレーションを構築してきてはいますが、やはり各国の競合他社の台頭もあり、受注や価格面など不安定な要素も多いのが事実です。
こうした市場環境のなか、主力事業の強化としては、半導体メーカーの短い開発タームに対応するために立ち上げた「ブルーコマンドー」を一層深化させ、試作品納入のスピード対応を目指していきます。また同時に、日本特殊陶業との資本・業務提携をテコに、微細化、高密度化、極薄多層化という顧客ニーズにこたえる技術開発に注力し、新たな製品分野へ積極的に挑戦するとともに、安定した品質で量産供給できる製造能力の構築に取り組みます。
新たな主力産業を育てるため、新規事業にも注力
また、弊社には電源装置の開発に軸足を置くパワーシステム事業もありますが、そのほとんどがOEM供給となるため、競争力が見出しにくいのが現状です。そこで、新たな事業に取り組んで収益の柱を作る必要性を感じ、現在注力しているのが、新規事業の立ち上げです。
この新規事業では、資金や人的リソース、市場規模の可能性など様々な要件を考慮し、スピード感を持って立ちあがる事業として「輻射式空調システム」の販売に参入しました。全くの異業種ですが、熊本のメーカーの販売代理店として、現在営業を強化しています。
これは、「風」のない空調システムで、高い技術に加えて、市場競争力の強いコストで販売することができるもので、すでにお客様からの問い合わせも続き、非常に手ごたえを感じています。
これを足掛けに、今後はこのシステムに付加できる弊社独自の製品をパワーシステム事業部で開発し、「快適空間創造ビジネス」を本格的に展開していく予定です。
他にも新規事業の案は幾つかあり、現在大手化学メーカーと開発中のサステナブルエネルギーシステム関連の案件もあります。この案件では、住宅産業への参入を視野にいれています。
今後はこうした新規事業を育て、売上の拡大と事業基盤の強化に繋げていきます。
新たなことに挑戦して、小さくても成功体験を
私の前職は政府系のベンチャーキャピタルでしたので、常に新たなビジネスの種となる技術をウォッチし、起業家と共に事業案を持って銀行に出向いては資金調達をする日々でした。だから、新規事業の立ち上げが最も得意な分野でもあります。
創業期のベンチャー企業では、新規事業が軌道に乗るまで体力が続かないこともありますが、既存事業での売上と基盤があれば、新たな分野に挑戦できる体力があります。それが弊社の強みでもありますので、新規分野への挑戦は続けていきたいですね。
新規事業の案は常に複数あり、「最も早く、成功する可能性の高いもの」から着手しています。例えば「輻射式空調システム」は、従来製品より導入コストもランニングコストも低く抑えられるという圧倒的な価格競争力があり、非常に売りやすい製品力があります。実際に「購入したいから説明に来て」という問い合わせが続き、成功体験を積みやすい状況が生まれています。
新しい分野に挑戦し、小さくても成功体験を積むと、周囲も自分自身も見方が変わってきます。そんな経験を社内に広げていくためにも、私も全面的にサポートしたいと考えています。
さらなる事業領域へ、チャレンジを続けて
既存事業の強化と共に、新規事業を積極的に展開していくなかで、「今までにやったことがないこと」「未経験のこと」にチャレンジすることが社内でも多くなってきています。「チャレンジしたい」という社員の自主性を大切にしたいと思い、輻射式空調システムの新規事業では担当者を社内公募で募りました。
新しいことにチャレンジしていかないと、成長は望めません。それは既存領域でも、新規領域でも共通しています。新たなことにチャレンジする姿勢を大切に、今後の成長に繋げていきたいですね。
■求める人材像は・・・
チャンスを求め、チャンスを活かして成長したい人に
今、会社では既存事業を強化するとともに、新たな主力事業を作るために新規事業にも力をいれています。また、今手掛けている事業だけでなく、その他の大きな市場の可能性のある分野にも積極的に事業を仕掛けていきたいと考えています。
多くの可能性にチャレンジしている今、会社には多くのチャンスがあります。ですから、「チャンスを活かして、挑戦してみよう」「チャンスを活かして、自分を成長させよう」というマインドの方にぜひ応募していただき、自分の可能性に挑戦してほしいと思っています。
■ウィルウェイズが語る、エピソード オブ "社長"
既存事業の強化と共に、新規事業の立ち上げに意欲的な中桐社長。取材時にもそのバイタリティの強さを感じましたが、意外なことにそうではなかった時代もあったとか。
「若い頃は、ビジネスマンになることさえ考えてなかったですよ。なんというか、モラトリアムというか、ネガティブでしたし、大学でラグビーに打ちこんだ後、やりたいことが見つかりませんでした。
変わるきっかけは、大学の先輩の一言でしたが、それから公認会計士の資格を取り、ベンチャーキャピタルで、社長と一緒に新規事業を考え、資金調達に走り回るうちに考え方も随分変わりましたね。今はめちゃくちゃポジティブですよ。若い頃には想像もつかないくらいですね(笑)」
何事も入口でダメと判断をせず、まずは「うまくいく理由」を探して可能性を探り、今でも週に1度はインターネットで新規事業の種となる、新たな技術やビジネスのリサーチを欠かさない。「チャンスの多い会社にしたい」という思いのもと、トップ自ら貪欲にチャンスを探す姿勢に、イースタン社の可能性の広がりを感じた取材でした。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年11月)
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パッケージ基板事業部 技術センター プロセス技術部 林 義治さん |
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