重電・産業用電気機器
東京精電株式会社 上田工場
生産部長 堀内幸雄さん
■転職をしようと思ったきっかけ
前職の経験を活かせる仕事に、初めての管理職として転職
前職では、プレス機械の会社に勤めていました。しかし、景気の影響でその会社が閉鎖することになり、かつて取引先であったというご縁で、前職の社長からのご紹介で面接を受けることになりました。
当初は今まで経験してきた、生産管理の仕事ができればと思っていましたが、面接では「管理職の仕事ならある」というお話をいただきました。当時の私はそれまでに管理職の経験は全くありませんでした。多少の不安もありましたが、リーマンショックの後で、景気も厳しい時期でしたし、「ご縁のあったここで頑張ろう」と心を決めました。
■今の仕事内容と入社してよかったと思うこと
自分のキャパシティを超える仕事をすることで、器が広がる
入社後は課長として、製造現場の管理に携わりました。今までで印象深かったのは、「水冷負荷装置」の大型案件です。その時は昼夜を問わず皆で製作活動に励みました。特殊な大容量の負荷装置で、私は入社したばかりで装置の知識がほとんどなく、何をやるにもとにかく必死でした。
セメントをこねて抵抗体を多数製作する作業があり、試行錯誤により日程が大幅に遅れましたが、設計、工程管理、人員計画、搬入計画を全面的に修正し、なんとか遅れを取り戻すために、夜勤を含めた二交代制で進めたこともありましたね。さらに6つのユニットで構成される大型装置でしたので、搬入でも苦労しました。
この案件の苦労を乗り越えられたからこそ、今があると思っています。その後は、少しぐらい大変でも「あの時に比べれば、大したことはない」と思えますから。当時は明らかに自分のキャパシティオーバーの仕事でしたが、それにチャレンジした分、自分のキャパシティを広げることができたのではないかと思います。
利益の出る体質に向けて、徹底的な見直しを
また、私が入社した当初は会社も赤字で、利益が出ず、期末までに赤字を縮小して「±ゼロ」にするのが精いっぱいでした。しかし、ここ数年全社的に利益を出すために様々な取り組みを行い、少しずつ利益が出るようになりました。
たとえば、全社的に余計な経費を徹底的に見直すようにしました。当たり前のことではありますが、電気、水道、ガスやコピー用紙から、車のリースや玄関マット交換回数などの各種契約を見直し、徹底して経費削減を行っています。
また、購入品はもちろん、何でも必ず数社の相見積もりをして価格交渉を徹底するようにしました。これによって、製品のコスト全体に占める材料費の割合を下げることができるようになりました。
そうした改善の他、今も現場では「納期達成率100%」を目標に取り組んでいます。納期を守るには、全ての条件が整っていることが必要で難しさを感じています。でも、100%を目指すことで、工程や無駄な工数の見直しなど、常に改善意識を持ち取組んでいます。
他にもクレームの低減にも注力しています。クレームの手直しは時間ロスになり、他の製品の納期にも影響が出ますので、確実な是正処置を実施して防止を心掛けています。
こうした取り組みを重ねることで、この2~3年で社内的な意識もかなり改善もされ、利益を出せる会社としての体質が整ってきたと実感しています。
課題は常にあるのが当然。それを乗り越えた先にやりがいがある
このように仕事では、常に何らかの課題に直面します。しかし、それを乗り越えないと利益は出ませんので、取り組むのは当然のことですし、乗り越えることで大きなやりがいや達成感に繋がります。
個人のキャリアについても同様です。私も生産管理の仕事がしたかっただけなのですが、それだけではやっていけないと、この会社で「管理職」という課題が新たにできました。実際にこの課題に取り組んでみると、視野も広がり、管理職が先頭に立ってやる姿勢を見せることが大事だと実感するようになりました。
今、部長職となりましたが、本当に仕事を任されていると感じます。役員より「今期からは工場側は任せたから」と言われております。転職当初は、管理職に対して不安もありましたが、それを乗り越えたことで「今」があります。
自分のやりたいようにマネジメントできる。今はそのことにとてもやりがいを感じています。
■これから転職を考える方へ
今までの経験を活かして、この会社で生きていこうと思えるか
一般的には、転職はよくないとされますが、私自身は、転職には何らかの理由があると思うのでいいと思います。もちろん転職が極端に多いのは例外ですが、大事なのはその経験を活かして、この会社で生きていこうと思えるか、それぞれの会社で学んだことを活かせるかが大事です。ただ「○○の経験が5年あります」だけではダメなんですね。
この会社はオーナー会社ではないので、誰でも社長になれるチャンスがあります。また、自分の考えでやるべき事をやれるという土壌もあります。
今は会社として一丸となって、利益が出せるようにと頑張っていますので、この目標に向かって一緒に頑張っていける人に来てほしいと思っています。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年10月)
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