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トップインタビュー信州

重電・産業用電気機器

東京精電株式会社

代表取締役社長  辰野昭司 氏

■業界の概要と企業の概要

電力変換装置や電気機械の計測器や設備、組み込みの電源変圧器の開発、設計、製造、販売を手掛ける東京精電。

その歴史は古く創業は大正8年で、2011年には会社設立70周年を迎えた。平成25年度には「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業」にも採択され、エンジニアとして"ものづくり"に打ち込める環境が整っている。

また、人材教育にも力を注いでいる一方で、社員旅行など社内行事も盛んに開催されている社風でもある。

■事業と強みと今後の展開

お客様の細かいニーズに応える、カスタマイズ製品が強み

主力製品は、電気機械の計測器や設備、組み込みの電源変圧器です。同業他社は、弊社よりも規模が大きく産業用機器を生産している企業が多いです。

ただ、この産業用機器に関しては、海外製の価格の安い製品が国内にも流通し、国内マーケットは非常に厳しいのが事実です。さらにこの業界のお客様は各種の工場ですが、今は日本国内の工場自体が減少傾向にあるので、業界は縮小均衡と言えるでしょう。

こうした環境で大手競合他社が海外へシフトするなか、弊社では、お客様の細かいニーズに応えながら、受注請負でお客様独自の仕様をお聞きして設計する、多品種少量生産体制をとっています。

お客様のニーズに合わせて、その都度設計できることが弊社の強みでもあり、一方で標準化が難しい、つまり量産できないことが弱みでもあると認識しています。

また、当社独自の製品も企画から設計・製造・販売をしています。規模は小さいですがメーカーとして,自社製品の販売比率を増やしていくための研究開発もしています。

大手の企業に負けないよう大学との共同研究なども進め、常に技術開発に取り組んでいます。

必要な能力を一覧にしたキャリアマップを成長の目安に

厳しい市場環境で生き残っていくためにも、人材育成は重要です。仮に辞めても、「東京精電で成長できた」と思えて、また次の会社でも「東京精電から来た人は優秀だな」と言われるような自己成長をしてほしいと考えています。

そのために、現場ではキャリアマップ(この職場ではどんな能力が必要か)を一覧にしています。そして、各個人ごとに現在のレベルを書いて、どの部分を伸ばせばいいのかを認識しやすくし、OJTの際に計画が立てやすいようにしています。

各職場で必要な能力をまとめた「教科書作り」も推進中

またOJTでも、「職場の必要な力量を明確化しよう」ということで教科書作りを各部署で進めています。何かを教えたら、その都度まとめて教科書にしていこうと。口頭で済ませるだけでは、その場で消えてしまいますが、資料に残していけばスタンダード作りができます。そうすると、目指すゴールも明らかになります。

たとえば、今営業での取り組みとして、「社外からの問合せに12時間以内に回答しよう」ということがあります。これがなかなか難しいのですが、できない理由を聞くと「技術に問い合わせているから」なんです。それなら、問合せ内容をA4の資料にすれば、次は営業で解決できます。このように、「やってできなかったこと」をきちんと積み上げ残していくことが大切なんです。

この積み重ねが「営業の教科書」になります。どんなスキルを身につけて、どんな人間関係を築けばいいのか。誰に頼んだら自分の問題解決をしてくれるのか。そうしたことをまとめてノウハウにしていきたいと考えています。

夕方5時以降は勉強を...資格取得、通信教育も全面バックアップ

また社員にはよく、「仕事をするふりで残業するくらいなら、夕方5時以降は勉強を」と話しています。学んで成長しようという意識がないと、人は伸びていきませんから。

そのために資格取得も支援していますし、通信教育も修了すれば会社が全額負担することになっています。社外の講習会やセミナーにも積極的に参加するよう呼びかけていますし、勉強のために本を買えば、全額会社負担としています。

本の購入支援については、現状残念ながらあまり利用されておらず、私が利用しているくらいですが(笑)、こうした会社の支援はぜひ積極的に利用して自己成長につなげてほしいですね。

それぞれの得意分野を持ち寄ったチームになれれば、それでいい

こうしてそれぞれが自己研鑽を重ねながら、それぞれが「社内で自分はこれが一番」というところを見つけ、伸ばしていければいいと思います。

オールラウンドプレーヤーを目指すのは無理です。人間必ず何か欠点はありますし、欠点を直すよりも、長所を伸ばすほうがずっと簡単ですから。そしてお互いに、得意分野を持ち寄ったチームとなって、補っていけばいいのです。

相手が困っているところを助け合う。縦割りではなくて、どこかで困っていたら、いろんなところに手を貸していける組織でありたいと考えます。

そのための社内コミュニケーションを促進するために、弊社では、花見、暑気払い、忘年会などの社内行事を開催したり、グリーンボランティアといった社内美化活動に合わせてバーベキューを行ったりしています。

また、厚生会といって、若手社員がいろいろな行事を企画しています。社員の健康促進が目的で、ボウリング大会など日帰りのバス旅行を行っています。

こうした社員交流の機会も活かしながら、「助け合う風土」を醸成していきたいですね。

今後は営業力強化を視野に

今後の展開では、営業力強化を考えています。

現在の営業拠点は東京、上田、名古屋の3か所ですが、大阪や九州にも拠点の必要性を感じています。特に九州は、東京よりもアジア圏に近いので、最近は工業誘致などが続いており、新規開拓の余地が大きいとみています。

弊社の製品は受注生産なので、顔をみて受注するのが大事で、実際に会っていかないと成約していかないものです。古い営業スタイルかもしれませんが、大事なことですので、拠点を設置しての営業強化には注力をしていく予定です。

一方で、HPでの技術紹介などのコンテンツ強化も考えています。HPは24時間体制の営業ですから、「4番目の営業所として」もっといい情報を発信し、営業力強化の一助にしたいですね。

■求める人材像は・・・

自己成長する意欲さえあれば、100点を取る必要はない

仕事では100点を取る必要はありません。前向きに、一歩一歩上がっていく意志さえあれば、必ず目標にたどり着けますから、自己成長したいという意欲があることのほうが重要です。

だから知らないことは周囲にどんどん聞いてほしいのですが、このときに謙虚になって、「調べたけどわかりません」と言えるかが重要です。あまり謙虚になりすぎて、質問できなくなってしまう人もいますが、それはいけません。本当に自己成長したいという思いがあって、仕事に責任感があるならば、聞かざるを得ないですから。そういう気持ちを持って来てほしいですね。

そういう方なら、チャンスはいくらでも与えていきます。技術職も、開発から販売まで手掛けるので大手企業ではできない実際のエンジニアとしての手ごたえがある仕事や幅広いやりがいを感じることができるでしょう。「自分を磨きたい」そう思ったら、ぜひ応募してください。

■ウィルウェイズが語る、エピソード オブ "社長"

長野県内にはオーナー企業が多いですが、東京精電はそうではなく、代々サラリーマンからの出世で社長になっています。その意味では、県内でも珍しい企業と言えるかもしれません。

辰野社長も、20代後半に転職でご入社された後、一貫して技術畑を歩み、39歳で役員に、そして5年前に社長に就任されたそうです。

「役員みんな60歳になったらやめようと思っています。役職者にもいつも『役職で仕事をするな』と言っています。役職を退き、60歳でも次の経営者に雇ってもらえるように、仕事での実力で最後まで動いていかないと。 でも、だから楽しいんですよね。」

社長職でさえ、「社長は、順番に。若手にも早く経験させたい」という考えの辰野社長。そんな東京精電なら確かに多くのチャンスや成長の舞台があるのではと感じました。

※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年10月)

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