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トップインタビュー信州

自動車・自動車部品

サンゴバン株式会社 機能樹脂事業部 諏訪工場

工場長  柳澤謙一 氏

■業界の概要と企業の概要

フランスで、ルイ14世の時代に国営ガラスメーカーとして設立されたサンゴバン社。その歴史は350年にも及び、ベルサイユ宮殿の鏡の間や、ルーブル美術館のルーブル・ピラミッドも手掛け、今や世界64か国で約20万人の従業員が働く一大企業となっている。

その一大産業のなか、諏訪工場が属する機能樹脂事業部では、フッ素樹脂を始めとする各種高機能プラスチック製品を取り扱っている。主力はエンジニアード コンポーネンツと呼ばれるベアリング部品で、国内自動車メーカーでは、ほぼ同社の製品が使われている。

自然豊かな別荘地にある工場で、世界と繋がり、世界の動きを感じながら働く。そんな環境がここにはある。

■事業と強みと今後の展開

世界トップレベルの製品力で、世界各国のニーズに対応

機能樹脂事業部は、エンジニアード コンポーネンツ、フルッドシステム、コンポジッツの3つのグループから成り立っています。

特に諏訪工場では、エンジニアード コンポーネンツが売上の大半を占め、主力の自動車部品メーカー向け製品(軸受材・ドアヒンジなど)は、国内はじめ世界各国の自動車メーカーで使用されています。弊社の製品は製品寿命が長く、「音が出ない」「動きがスムーズ」といった車に求められる快適性を叶える特徴があります。それが他社にはない強みであり、お客様から支持していただける理由となっています。

また諏訪工場は、アジアのグループ工場向け中間材料の製造拠点でもあります。国内メーカーも海外進出が著しく、アジアでの自動車生産台数は伸びていますので、アジア向け製品の輸出も好調です。

さらに、海外のグループ工場で製造されている部品の輸入販売もしています。これは建築関連のお客様が多いですね。

このように弊社では、世界的大企業のシスターカンパニーとして、グループ会社を通じて世界各国のニーズに対応して製品を供給し、また日本のお客様に対しても、各国から必要な製品を提案できるという強みがあります。

社内プロジェクトも、協力会社もボーダレスな環境のなかで

世界的な開発・生産体制のなかで、諏訪工場では、ドイツの開発拠点で開発された製品を、どうやって日本のお客様の用途に合わせて加工・成形していくか?生産効率を上げていくか?ということを追及しています。

とはいえ、各国で同じ加工設備を使って、同じ製品を製造していますので、世界各地の機能樹脂事業部の工場との連携、情報共有が欠かせません。そのために、各国に人を派遣してトレーニングを行ったり、同じような設備を持っているグループがチームとなって改善プロジェクトに取り組んだりしています。

エンジニア同士のネットワークの強化が、製品の向上や生産効率の向上となりますので、日本からも積極的に参加し、時には各国のメンバーをまとめるリーダー役も務めています。

例えば中間材料を作るチームは、アメリカ、ドイツ、日本のメンバーで構成され、諏訪工場の社員がリーダーとなって、プロジェクトをまとめています。先日も各国からエンジニアを集めて会議をし、生産の改善について話し合いました。

お客様だけでなく、社内プロジェクトや協力会社も日本だけに留まらず、国境を越えて繋がっています。そこで国籍に関係なく連携を深め、リーダーシップを発揮していけるよう、グループ同士の社内プロジェクトなどへの参加は、工場としても積極的に進めていきたいと考えています。

効率よりも、安全を最優先に

また弊社の特徴の1つが、安全衛生に対する積極的な姿勢だと思います。安全衛生面については、一般的な水準よりも、かなり細かいレベルでルールが決められ、それを運用していくための教育、リスクの評価やそれに対する改善活動のアクションなど、非常に高い要求が求められています。

これは、「安全が全てにおいて優先される」という理念によるものです。全社レベルで効率よりも安全を重視し、従業員を大切にする社風があり、従業員が安全で元気に働ける環境であること、労働災害などが起こらないことを最優先にしています。社内のプレゼンテーションでも、最初に話し合われるテーマは「安全」ですから、非常に徹底されているといえるでしょう。

アジアの中心工場としてのリーダーシップを

今後の展開ですが、日本はアジアの中心工場という位置づけになっています。アジアの需要増に応えて製品を輸出していくために、設備も毎年増強され、来年には工場拡張も計画されています。

また、日本の自動車メーカーが新車モデルを開発する際に、弊社の製品がスペックとして組み込まれれば、そこからアジア圏全体にビジネスが広がっていきます。ですから日本では、営業と協働しながら、お客様が必要とする条件に対して対応できる製品や設備を提案し、新モデルにスペックインされることで、アジア全域の生産拡大につなげていきたいと考えています。

■求める人材像は・・・

国籍関係なくコミュニケーションをする逞しさが必要

弊社での仕事は、各国との連携が欠かせません。日々の改善活動も海外エンジニアとのネットワーク、情報交換が必要ですし、ロジスティックスの面でも海外の業者とのコミュニケーションが必要になってきます。

そこで重要なのは、リーダーシップです。重要な決断が必要な時に、方向性を明確に打ち出せること。そして関係者をその方向に導けること。自分の考えをしっかり持ちながら、他人の意見を聞けることが、国境を越えた連携をよりスムーズなものにしていきます。

外資系企業というと、語学力が気になるでしょう。もちろん語学力は必要ではありますが、英語は意欲があれば学べます。それよりも、こうしたリーダーシップや、海外に1人で行ってもやっていけるようなやる気、逞しさが大事だと思っています。

■ウィルウェイズが語る、エピソード オブ "工場長"

従業員の多くが中途入社という諏訪工場。その話を伺ったところ、柳澤工場長も転職組だったそうです。前職は?とお伺いしたところ、なんと中学校の理科の先生だったとか。学校の先生から、外資系企業の技術営業への転職。多くの転職事例を目にしてきましたが、これほど劇的な転職事例はそうそうありません。

「学校の先生って、実は朝から晩まで自由な時間が何もなくて(笑)。それにスケート部の顧問をしていたので、部活の付き添いもあり休日もなかったです。だから、この転職は本当に大きな人生の転機でしたね。やる気があれば、本当にいろいろなことをさせてもらえて、1人1人の仕事の範囲が広く、決まりきった仕事もありません。全く違う環境になりました。

その後、30代後半で当時の上司の退職に伴い、突然マネージャーになったことも転機でしたね。本当に戸惑いました。自分よりも年齢も上で、知識も経験も豊かな部下をどうマネジメントしていけばいいのか、と。こうした人事は、日本企業ではあまりないのではないでしょうか。でもそこで、目標達成のために、適材適所を考えて組織運営していくということを学びました。」

とご自身も、外資系企業ならではの経験ややりがいを重ねてきたようでした。

外資系企業というと大都市圏勤務のイメージが強いですが、このような緑豊かで空気が澄んだ自然のなかで、世界各国と連携をとりながら働くこともできるのです。長野の自然を満喫しながらも、グローバルに仕事がしたい。そんな方にはピッタリの環境だと思いました。

※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年7月)

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