ガラス・窯業・セラミック
アスザック株式会社
代表取締役社長 久保正直 氏
■業界の概要と企業の概要
コンクリートからドライフーズまで、異業種多角化展開を進めるアスザックグループ。「人と違うものを創り出したい」という創業者の思いもあり、各分野にて他にはない独自の技術力を持ち、中には世界中で特許を取得した高度なものもある。
インフラ関連に、食品、アルミ、セラミックスから電子部品まで。その幅広い分野での創造は、すべて「人が好き。自然が好き」というスローガンにもあるように、常に「好きな人のために、大切な人のために」という気持ちで生まれたからこそ、オリジナルの技術力につながったといえる。
そんなアスザックグループの各事業の強みと今後の展開について、久保社長に取材した。
■アスザックフーズの強みと事業展開

今最も需要がある食品事業。素材の良さを生かせる技術を強みに
今一番需要があるのは食品事業部です。この事業部では、インスタントラーメンや味噌汁、スープ、シリアルなどに使われている野菜や果物の乾燥素材や、乾燥調味料を扱っています。
この業界で、弊社は農協の野菜加工をルーツに、野菜や果物の素材を中心にした仕事に一番長く取り組んできました。こうした野菜加工を背景に持っていることが、業界内での弊社の強みと言えます。
特に近年、ブロックのスープや味噌汁の市場の伸びが著しく、小売店業界でも成長分野として捉えています。そのニーズが追い風になっていますね。
また、弊社では日本だけでなく中国やベトナムにも製造販売拠点があり、世界中の材料を最適地で作って、提供する環境作りができています。特にベトナムの関税特区の工場では、無税で世界中から原材料を仕入れて加工することができます。
この工場は、ベトナムの工場団地で、日系企業としては第一号の工場。世界的にも需要の伸びている分野なので、早くから海外進出を意識してきました。
国産にこだわりたいお客様には国内で。そうでないお客様には、海外で。お客様のニーズに合わせて対応できる体制を整えています。
さらに弊社では、この高山村でもベトナムでも農業生産も手掛けています。野菜の安全性が厳しくチェックされる時代だからこそ、自分たちで農業を行うことで、安全な野菜作りに対しての意識や知見にもこだわっています。
■ファインセラミックス事業部の強みと事業展開
世界で唯一の技術を強みに、先端産業の発展に貢献
ファインセラミックスは、80年代に「日本も新素材に強くなろう」といわれた時期に、「我々も新素材に挑戦しよう」と新しく始めた事業です。
半導体業界で日本がアメリカを抜いてNo.1になった時代に、セラミックスを使って生産すると歩留まりが上がったり、より精密な製品ができたりするようになりました。その後、日本の半導体業界は苦しくなりましたが、液晶や太陽電池、LEDなど新しい技術によって最先端産業にも使われるようになっています。
そうした業界動向のなか、弊社では特殊な製法でファインセラミックスを作っています。今は、高純度のセラミックスでも大型の製品(4.0m以上)もでき、これは世界で弊社だけの技術です。
こうした技術力を生かし、先端産業の発展に貢献するのがミッション。ファインセラミックスは、機械的、熱的、電気的、化学的、光学的に様々な優れた特性を持っています。そのため、部品・部材として情報エレクトロニクス、自動車、エネルギー、環境など様々な分野で使われるようになってきました。
そのなかで技術力に加え、お客様の仕様に合わせてコンパクトに対応できる小回りの良さも弊社の強みの1つです。先端産業は常に厳しい競争をしているので、歩留まりを上げたり、処理枚数を上げたり、一回の処理の範囲を広げるというニーズに常に対応してきました。
ファインセラミックス事業部も、ベトナムに工場があります。今後はコスト問題もクリアして、さらに世界中のお客様に貢献できればと考えています。
■インフラエンジニアリング事業部の強みと事業展開
バイコン製品を日本で一番古くから扱う会社として、普及に力を
インフラエンジニアリング事業での弊社の特徴は、バイコン製品の取り扱いです。バイコン製品とは、コンクリートを水分の少ない状態で、振動を与えて、振動と圧力で固めたもので、耐久性が通常のコンクリートの3倍くらいあり、耐食性も高いものです。このバイコン製品の取り扱いでは、弊社が日本で一番古い会社となります。
このバイコン製品は、その特性のため通常のコンクリート製品よりも長持ちします。今、日本では過去に作った建築物やインフラのメンテナンスに苦労しています。
歴史の話になりますが、過去にローマ帝国が滅びたのは、道路などの社会資本のメンテナンスにお金がかかりすぎたことが要因の一つだといわれています。日本がそうならないためにも、インフラをバイコン製品で作るのが一番。弊社ではその信念を持って、普及に力を入れています。
かつては日本では馴染のなかったバイコン製品ですが、ヨーロッパではバイコン製品の使用が当たり前です。それは、「長持ちする良い建築物・構造物を地域に」という視点があるからです。日本では見た目の良さもこだわりますので、「白くてつるつるしているものがいい」という視点がありますから、そこは大きな違いですね。
しかし、地域にとって一番いいものをと考えれば、我々の提案が一番いいという自負があります。長年の努力もあり、バイコン製品の良さもだんだんと理解してもらえるようになり、山間部だけでなく市街地でも使用されるようになりました。
そして今は、関東、東海地方へと出荷するようになってきています。地域にとってよりよいインフラ作りのために、販売エリアをさらに拡大していく予定です。
■アルミ事業部の強みと事業展開
世界で認められた特許を生み出した技術力を糧に
アルミ事業部では、70年代に「Vプロセス」という鋳造方法を開発しました。そして当時、中小企業としては初めて世界中で製法特許として特許を取得し、多額の特許収入は新規事業の資金にもなりました。
この「Vプロセス」は葉っぱの葉脈まで再現できる鋳造方法で、特にエクステリアの製造に適しています。当時は日本でも需要がありましたが、その後市場が縮小してしまったので、ベトナムに生産工場を移し、ベトナムからタイ、カンボジアなどの東南アジアに輸出しています。
最近では、東日本大震災をきっかけに、日本でもアルミのエクステリアが見直されてきました。アルミはデザイン性も高く、外壁の構造物として安全ですし、さらに熱放散性がとても高いので省エネにもいいからです。そうした背景もあり、日本でも需要が回復してきましたので、ベトナムで生産したものを日本に輸入して販売をしています。
アルミのエクステリアは我々が開発した技術です。特許は切れましたが、「Vプロセス」を使った製品は、いまだに世界中で生産され、使われています。またエクステリアだけでなく、輸送機たレジャーボード、ピアノにも使用されています。
世界で認められた特許を生み出した技術力を糧に、今後も様々なニーズに対応していきたいと考えています。
■今後の事業展開について
人の人生の節目を、少しセンス良く彩れるように
今後は、今成功している分野でさらに進化し、特化して技術力を向上させていくことを目指していきます。
例えば食品事業なら、スープはもっと美味しくコストダウンできるようになります。スナックでもおかゆでも、今は「これしかできない」というようなことも、やっているうちに技術は日々現場で進化します。スナックも今は、油で揚げたり焼いたりしなくても、様々な食感が作れるようになってきました。その技術を用いて、果物や野菜の栄養価をそのまま残したもので、美味しいスナックを作ることもできるのです。
昔は考えられなかったことも、続けて取り組んできたからこそ、可能になります。ここは弊社のアドバンテージの部分で、今も申請中の特許が3つあります。
もちろん食品事業に限ったことではありません。我々が当たり前だと思っていたような技術も、他社からみたら特許性があったということもありました。我々は、それくらいの技術を持っている。その自信を持って自分たちの事業を進化させていくことが、一番大切だと考えています。
■求める人材像は・・・
PDSA、学ぶ姿勢こそが大事
今、社内で活躍しているのは、自分の仕事に対してやりがいを持てる人です。どんな仕事をしていても、自分の仕事が「楽しい」と思える人は何をやっても伸びていきます。それには学ぼうとする意欲が大切です。そして、コミュニケーション能力。人の力を借りたり、人に力を貸したりすることができると、仕事の範囲がとても広がります。
社会では、P(Plan:計画)、D(Do:実行)、C(Check:検証)、A(Action:改善)が大切と言われていますが、弊社ではP(Plan:計画)、D(Do:実行)、S(Study:勉強)、A(Action:改善)であれといっています。
何かをやれば、必ず良くても悪くても何か学べます。それを学んで次に進もうと。失敗してもいいのです。PDSAのサイクルをきちんとすることが、人の成長と進化に大事なのです。
社内ライブラリーで、学ぶ機会を応援
人材育成でも、PDSAを社内用語として使っています。常に勉強ができるように、高山と須坂のオフィスには社内ライブラリーがあり、本とDVDを貸し出しています。本は、業務に必要な本やビジネス書、健康に関する本などですね。また私が読んでいたものや読んでほしいと選んだもの、社員からリクエストあったものも置いてあります。
仕事と仕事以外の人生があって、「仕事はお金を稼ぐためだけの手段」という考えもあるようですが、それは間違っていると思います。全て自分の人生です。だから仕事と仕事以外を切り分けるべきではなく、すべて含めて自分の人生を豊かにするという視点が大事なのです。
生活の中心に仕事があって、そこでイキイキとできれば人生は豊かになります。弊社で働く人には、ぜひそんな気持ちで働いてほしいと思っています。
■ウィルウェイズが語る、エピソード オブ "社長"

多角化経営はどの事業もそれなりになってしまう可能性もあり、多角化で失敗した企業も数多くあります。しかし、アスザックグループは違います。各事業部で、他にはない技術力や強みを生み出した秘訣は何か。それは久保社長のこんな言葉に象徴されるような気がしました。
「いろんな事業があると、常に未知のものに挑戦することになります。私自身、普通の人より多くのことに挑戦してきました。その分、失敗もたくさんあります。
でも、失敗をとやかくいっても仕方ないんですよ。それより、その失敗から何を学べるか、どう活かせるかが大事。この考え方で、失敗を経験にしていくことができれば、失敗には価値があるんです。」
常に学ぶ姿勢を忘れない。新しいことに挑戦するときも、必ず自分である程度勉強して知識や考えを持っておく。そうすれば、失敗した時に何が問題なのか、どの程度違うのか、検証できる。この姿勢で挑戦し続けたからこそ、多角化経営に成功されていらっしゃるのだと感じました。
久保社長にオススメの本を伺ったら、福沢諭吉の「学問のススメ」という答えが返ってきました。
「学ぶことは楽しいんです。様々な知見を積むことで、自分の生活がよくなりますから」
恥ずかしながら未読だった私。早速、読んでみたいと思っています。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年6月)
そんなアスザック株式会社で働きたいと思ったら・・・
| 【募集終了】 | 営業職 営業所(塩尻市)勤務 | |
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そんなアスザック株式会社で働く社員の・・・
| インフラエンジニアリング事業部北信営業所 S.Y.さん | |
| インフラエンジニアリング事業部設計チーム A.W.さん |










