医療・福祉・介護サービス
酒井動物病院
看護師(AHT) 遠山さん
■会社を選んだ理由
この仕事を知ったら、どうしてもやってみたくなって
私は、AHT(animal helth technician)と呼ばれる動物看護師(兼トリマー)をしています。
元々は、金融機関の渉外係でお得意様周りを中心とした仕事をしていました。転勤で飯田に来た時に、同僚から聞いて「こういう仕事があるんだ!」と知ったんです。
飯田でも何年か働いて、自分の中でやるべき目標は達成したな、と思うようになった頃でした。
元々とても動物が好きだったし、「やってみようかな。チャレンジしたいな。」という感情が抑えきれなくなってしまって(笑)
そこから、月・火・水は高速バスで名古屋のトリマー学校に通い、木・金・土は車で岐阜の病院へ修行に通う、という生活を、始めてしまいました(笑)
最初はトリミングの自分の店を出したんですが、この病院が今の場所へ移転開業するときに、院長から声をかけてもらいました。トリミング+α(動物看護の勉強)が出来る!ととても嬉しかったのですが、先ずは受付の仕事から。
当時は、院長先生も血気盛んな40代の頃で、「ふざけるなバカヤロー」と良く言われてました。(こっちは分からないことだらけで・・・ふざけてなんてないのに。ははは。)
今は、先生もいいお歳になられて、当時からは考えられないくらい丸くなったんですよ(笑)
大きな組織で働くより、自分の力を磨くチャレンジへ
銀行員時代は、1年を通して目標に向かって仕事をしていれば安定感はあったかもしれません。ここは、「組織の中でというより、自分一人の力を磨き、どこまで何ができるかへチャレンジできる世界。」と思います。
トリマー技術+新しい分野(院長の診察助手)へのチャレンジを始めたものの、働き始めた頃は、電話を受けても何を聞かれているか分からない状態。
「ちょっとお待ちください」と言って、そのたびに先生へ聞きに行ってました。そして、先生に聞いたことをそのままお客さんに伝えるだけ。自分の経験・知識から、自分でお客さんにアドバイスできるようにならなければ、給料をもらっている意味がない!と焦りましたね(笑)
「この患者さんには、どういうものが一番合っているのか」を勉強しつつ、日々一つ一つの経験を積み重ねてこれたかな、と思います。
■今の仕事内容と入社してよかったと思うこと
ワンちゃんネコちゃんにも、高いQOLを実現できるやりがい
働き始めて間もなくの頃、ボケ症状も出てきている20歳ぐらいのワンちゃんがいました。
腎臓機能も悪くしていましたが、飼い主さんがずっとドックフードにこだわって食べ続けさせていたんです。病院でお預りした時、腎臓病の療養ドックフードはタンパク質量を抑えているので美味しくないのに、自分で食べるのが不自由になっていても、口元にドックフードを持っていくとパクパクと食べてくれた。
病院でお預かりしてもドックフードを食べれて、人間みたいに寝たきりで床ずれができたり点滴で管だらけになっても生き続けることはできますが、亡くなる直前まできちんとドックフードを食べれたというQOL(quality of life)の高さ。これは本当に素敵だな、と思ったんです。
こういう子がいたから、「うちの患者さん達は、この子を目標にしていかないといけないな。」と実感しました。
ワンちゃんネコちゃんからも色々教えてもらって、私も少しずつ飼い主さんへアドバイスが出来るようになりました。
亡くなってしまう患者さんもいるけど「ウチの子は亡くなっちゃったけど、酒井動物病院でみてもらえて本当に良かった。色々教えてもらって有り難かった。ありがとうございました。」と言ってもらえる。それは、とても嬉しいです。
助からなかった命でも、飼い主さんから感謝の言葉をもらえるのは、とてもやりがいに思います。
■これからUIターンを考える方へ
地方だから地方レベルで良い、ってことはない。
診察するだけの病院もあると聞きますが、せっかく飼い始めたのだから、ワンちゃんネコちゃんも家族の一員です。その家族が健康で長生きできること、そのお手伝いができる高いレベルの動物病院でありたいと常に思っています。
ワンちゃんネコちゃんが好きだから飼い始めるけれど、病気などをして初めて知ることも多いんです。こういう飼い方をするとこういう可能性もありますよ、こういうことに注意してくださいとアドバイスができる高いレベルを常に目指しています。
信州の小さな病院だから、このレベルの治療で良いというわけではない、と思うんです。飯田であっても日本の中で最先端の治療ができるよう、院長が常に情報収集をしてくださっています。
先日、大都市圏の大学病院の外科部長さんが飯田までいらっしゃって、「自分のところより手術の数は多いし、レーザー機器の部品がここまで摩耗しているのは、日本で数件ぐらいしかみたことがない。」と言ってくれました。
田舎だけど、そこで実現していることは日本の最先端レベルという環境は、とても刺激的ですよ。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年3月)
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院長 酒井竜象 氏 |