陸運
アルピコ交通株式会社
代表取締役社長 古田龍治 氏
■業界の概要と企業の概要
上高地、白馬、乗鞍、戸隠、蓼科。 全国的に人気の高い観光名所を事業エリア内に持ち、長野県の観光産業の一翼を担う。その一方で地域密着型の鉄道・バス事業を展開し、サービスエリア事業、旅行事業など関連業種も手掛けている。
地元に住む知人に「就職が決まった」という話をしたら、必ず「いろいろな可能性があるから」「いろいろ経験できるから」「いい会社に決まってよかったね」とお勧めされる、信州のリーディングカンパニーの魅力とは・・・。
■事業の強みと今後の展開
地域の足として、地域に根ざした事業を
様々な事業を展開していますが、弊社の主力事業は鉄道とバスです。地域の皆様の"足"として、地域に根ざし、貢献できる事業をと考えています。
また、長野県の観光をより活性化するためにも都会から地方への利便性を高めていくのも弊社の役割。利便性という点でいうと、バスは非常に便利なのです。道があればどこへでも行けますから。
お客様にとって、様々な魅力的なプランを提供することで、より多くの方に信州にきてもらえるよう、長野県の観光産業の中核を担っていきたいですね。
都会から地方へ、海外から信州へ。"信州へいく なら、アルピコバス"
なかでも高速バス事業は、今後成長が見込める分野として注力しています。信州から、東京・大阪・名古屋など大都市への路線はもう充足していますが、バス事業にはそれ以外にも様々な可能性があるのです。
そのために2012年11月には、東京営業所を新設し、20台のバスを配置しています。これで首都圏から信州、または他の地方への交通手段となる事業が広がるようになりました。さらに高速バスでは、空港から信州への路線も注目の分野です。
たとえば、現在もオーストラリアから白馬へのスキー客対象の成田空港~白馬間の路線があります。今、海外から日本へスキーをしに来る方が増えています。年末に、長野駅新幹線口のバス乗り場へ行ってみたのですが、スキー場へのバスを待つお客様はほとんどが外国の方。ここも成長できる分野だと考えています。
それ以外にもお客様のニーズを掴み、様々な路線を展開することで、「信州にいくなら、アルピコバス」と思っていただけるようなサービスの提供を目指しています。
お客様のニーズを掴む。そのアイデアは若手から。
そのためには、様々なお客様のニーズをどう掴むか、が重要になってきます。こうしたアイデアは社内の若手人材に積極的に出してもらっています。変化する多様なニーズを捉えるのは、若い世代のほうが得意ですからね。
たとえば、現在もバスのシートやデザイン、カバーなど内装をどうするかを考えるプロジェクトがあるのですが、これも全社横断、若手中心で進めています。他にも旅行商品、高速バスのセットプランなど、年齢に関係なく社員が積極的にアイデアや意見を言える場を作ることが、お客様にとって魅力的なサービスを生み出すことになると考えています。
■転機を乗り越えたからこその強み
平成19年12月25日に迎えた、転機
安定した業績に向け、全社一丸で取り組んでいますが、この会社は数年前に転機を迎えました。私自身にとっても大きな転機だったその出来事とは、平成19年12月25日の私的整理。平たく言えば倒産です。
しかしこの出来事で、管理職はもとより社員の経営に対する考え方と捉え方は大きく変わり、経営への姿勢が大きく変わったと思っています。経営の効率化とは何か、投資効率をどう考えるべきか。自分たちのビジネスはどういうものなのか。何が強みなのか。それをこの時にしっかり勉強し、これを乗り越えたからこそ、今の力になっていると。
40社程あったグループ会社は現在、交通・流通・観光事業を中心に、地域貢献と観光への取り組みを進めています 。
■求める人材像は・・・
目配り、気配り、そして週末がなくてもOKな方(笑)
弊社の事業はサービス業ですから、目配り、気配り、そしてフットワークの良さがとても重要です。物事に興味を持って動けるか。いろんなことに気づけるか。たとえば日頃から自分がお客として利用したときに、当たり前のことにきちんと気づいて、それがサービスとして提供できるかどうか。挨拶がきちんとできるかどうか。1つ1つは単純なことばかりですが、これが一番大事なのです。
また観光シーズンは週末出勤はやはり多くなります。その分、お客様の思い出づくりのサポートをしているのですが、そこに喜びを感じられる人がいいですね。
入った会社で夢をつくる、やりたいことをみつける
就職しても、もしかしたら他にもやりたかった仕事や、入りたかった会社のことを思うことがあるかもしれません。
しかし、入社した会社で覚悟を決めて、「夢を作っていく」「やりたいことを見つけていく」のが大切なのです。私自身、就職活動の頃こうした鉄道・バス事業に興味があったかというと、実は特にそうでもなかったですから(笑)だから、入社したからにはぜひ、この環境で夢を持って、やりたいことを見つけて頑張っていただきたいですね。
■ウィルウェイズが語る、エピソード オブ "社長"
鉄道・バス事業と聞くと、社風も固いイメージを持つ方もなかにはいらっしゃるかもしれません。しかし、アルピコ交通株式会社は全くそうではないのです。
たとえば上高地線では、イメージキャラクター「渕東なぎさ」があり、ラッピングトレインや記念乗車券付CD、関連グッズ販売などが展開されています。実はこれも「キャラクター展開していこう」といったプロジェクト的な始まりではなく、古田社長によると
「なんか、入社3~4年目で絵の上手な女性がいて、なんとなく描いていたのを、これいいじゃないかってことで全社的に取り組んだんですよ」
というきっかけだったとか。「若い人の意見、アイデアをどんどん活用していく」...まさにその具体例だと感じました。
※記事の内容及びプロフィールは取材当時のものです。(2014年2月)
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